に当た械や




誰かが私の名前を呼んだ気がして振り返ったけれど
 そこには誰の姿もなく、伸び放題に伸びた叢があるだけだった。
 もしかしたら武夫が呼びに来てくれたんやないか??という
 淡い期待を打ち砕かれて私はまた川に小石を投げ込んだ。
 小石はまたもや音もなく水の中に沈んでいく。

 武夫はこの川みたいな人や。
 私がいくら感情的になっても冷静沈着で私の怒りはその中に音もなく沈んでいく。
 相手も同じように感情的になってくれたら
 こんな中途半端な気持ちでいることはないんやないか、そう思った。
 前みたいに私の稼ぎで生活しているわけやないし、
 責任感の強い武夫のことやからちゃんと結婚しようと言うてもくれる。
 けど、それって愛情なん?ただの責任感からくる結婚なんやないん?
 私はそこに引っかかっているんやな??と唐突に気がつく。

 別に高級レストランで指輪差し出されてプロポーズされたいわけやない。
 今流行りのフラッシュモブを使ったプロポーズなんか真っ平ごめんや。
 一回だけ、そのサプライズしてるとこに行ったことあるけど、
 なんか、こっちの方が恥ずかしくなってしまった。
 プロポーズされてる女の子を見たら感動してると言うよりもしらけた顔してたし。
 頼んだ男の方は女の子が喜ぶと思ってしたサプライズなんやろうけど
 きっと、あの女の子も私と同じようにそんなもんを望む子やなかったんやろ。
 やっぱり相手のことちゃんと知ってるようでもわからんことは仰山ある。
 五年付き合っても私には武夫のこと全部知ってるわけでも理解してるわけでもない。
 ただ、知りたいと思うし理解したいとはずっと思てるけど。
 何せ、小説家やから私みたいなOLとは考えが違うような気がする。

 今日みたいに私が一方的に悪態ついた時でも
 武夫は私が謝らんかってもきっと何もなかったふりが出来る人なんやと思う。
 そやから怒ってるのはいつも私の方で
 癇癪起こして突っかかって行くのも私ばっかりや。
 相手に非がないのに怒ってる如新nuskin香港私はアホみたいに思える。
 相手に非があったら、そこを突いて行ったらええけど
 ない場合はどうしたらええんや。喧嘩にもなれへん。
 結局、私ばっかりがアホみたいに騒いでる。

 そのことを前に会社の先輩の今日子さんに言うてみたら
 「あのな、経年劣化??って言葉があるやろ?」
 「経年劣化?あの建物や機時間たったら劣化していく?」
 「うん、そう、その経年劣化や」
 「それが?」
 「人間関係もそうなんちゃうかなあ??って私は思うねん」
 「.?????」
 「時間が経って人との付き合いに慣れっこになってくると最初の気持ちは劣化していく」
 それを見て私は余計に激高してしまったんや。
 「言葉が出て来んようになったらモノる、裕子の悪い癖や」
 そう言いながら武夫がカップの破片をnu skin 如新拾っているのを見てたら
 余計に腹が立った。
 武夫はいつも冷静や。私なんかと違って、そう思ったら顔がカッと熱くなって
 決定的なことを口走ってしまった。
 「もう、止めよ。私らは中途半端で、いつまで経ってもこのままや」
 「それってどういう意味や?別れるってことか?」
 武夫はカップから視線を反らして私の顔を見上げた。
 「そうや、喧嘩の原因は些細なこnuskin 如新とやけど、私たちはもうあかんと思うわ」
 「???」
 「根本はそこやないねん、根っこにもっと決定的なことがあると思うわ」
 「それやったら修復したらええやないか」
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