居らで仲良しこ
その姿に、翔月を捕まえたら穏やかに話をしようと思っていた青児の決心は、あっさりとどこかに消え失せ、思わず怒声をあげた。
「ばか、翔月!何て顔してんだよ。ちょっと来い。話がある。」
「あ……」
生徒会室に引き込まれて、翔月は青児の詰問を受けた。
誰と何があったかなど、青児に報告できるはずもない。
「な……にがって?久しぶりだね……青ちゃんは真っ黒になってる。やけたね。」
「そんなことを言ってるんじゃない。休みに何が有ったか話してみろって言ってるの。何でもないなら言えるだろ?おれに内緒で、一週間何やってたんだ?」
「別に……塾に行くって、ちゃんと言ったじゃない。」
「おれが納得するような、まともな言い訳をしろよ?塾に行くと翔月はそんな風に、白い顔になるのか。何だよ、その手首。休み前より痩せただろ?」
「あ、暑いから……夏バテしたんだよ……。体力無いの、知ってるでしょ。」
「じゃあ、一度も携帯が通じないのは、どんな理由だ?一週間、ずっと家にも帰ってないのは何故だ?駅前の進学塾に、更科翔月と言う生徒はいないそうだけど?」
一瞬、驚いたように青児を見つめた翔月は、なんとか考えて言い訳を引っ張り出した。
「え、駅前の進学塾じゃないから……」
「おばさんには言ってないけど、この辺の奴が通う塾はみんな調べた。」
「……」
「それに、夏休み初めから合宿してる塾は、県内のどこにもない。塾だって言い張るなら言ってみろ、塾の名前。」
翔月に言葉はなかった。青児が家に来たことは母親から聞いて居たし、その日誰かの家に泊まったことは、もうすでに青児は知っている。それでもdream beauty pro新聞隠し通さなければと、思った。
「……一から十までみんな青ちゃんに報告しなきゃいけないわけ?ぼくにだって、青ちゃんに話せないことの一つや二つあるよ。いつまでも、お手々つないよしって年でもないでしょ。そこまで調べたなんて、まるでぼくのストーカーみたいだね。」
「心配して悪いか!」
青児の頬に朱が走る。気分を害させてしまったと、わかる。
翔月は思わず、視線を外した。
「……おれは翔月とはずっと変わらないで一緒にれると思っていたけど、翔月はそう思っていなかったんだな。翔月にとってのおれは、一週間顔も見なくてもいいし、声も聞かなくてもいい軽い存在だったんだ。おれの思いは、翔月にとっちゃ重荷dream beauty pro新聞でしかないって良く、わかったよ。望み通り離れてやるよ。もう翔月が何をしようが構わないから、好きにすればいい。」
翔月の俯いた口の容が「そんな……」と開いたが、言葉は発せなかった。青児の言葉が翔月の心をえぐり、血が流れる気がした。
「そう……?い、まは……勉強しなきゃ、いけないから……だから……その方がいいかもしれない……ね。」
「そうか。それでいいんだな。塾でもなんでも自由にすればいいさ。翔月にはおれなんて必要ないんだから、これからは一人で何でも好きにすればいい。これまdream beauty pro新聞で付きまとって悪かったな。」
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